こんにちは、吹奏楽.comです。
管楽器を演奏する上で、テクニック(技術)的にもっとも大切なことは「ブレス・コントロール」です。
どの管楽器にも当てはまります。
打楽器奏者とコントラバス奏者の方も「関係ないや」と思わないでお付き合いください。
打楽器や弦楽器やピアノなどを演奏する上でも、ブレスのことを深く理解すると素晴らしいアンサンブルにつなげることができますし、打楽器、弦楽器やピアノも実際にブレスを取り入れて演奏した方が良く、上手い人は取り入れている人が多いです。
単に「長く音を伸ばせる」とか、「長いフレーズを一息で演奏できる」ということ以外に、あらゆることにブレスが関係してきます。
ブレスのことだけを中心に書かれた分厚い本もありますし、演奏とブレスのことについて書かれた研究論文などもたくさんあります。
それだけ奥が深い世界なので、短い文章だけで簡単にブレスのことの説明はできませんが、ブレスが自分が思っている以上に、何倍も大切なことに気づいた時に、その人の演奏は一つ上の段階に行けると思います。

「吸って、吐いて」という言葉を聞いたことがあると思います。
深呼吸するときなどによく聞く言葉ですが、どうやら日本の独自の言い回しのようで、これが良いブレスの邪魔をしたり、楽器演奏にかかわらず「過呼吸」の原因になることがあるようです。
海外の人も含めて検証すると、深呼吸をする際に日本人はほぼ100%「吸う」ことを先にするそうです。
外国の方は、先に「吐く」ことをする人が、ある程度の割合で必ずいるそうです。
管楽器や歌は、息を「吸いながら」演奏することはまずありません。
ハーモニカなどの例外はありますが、基本的に管楽器は息を吐きながら演奏するので、その「吐く」ために息を吸います。
ところが息を「吸う」ことが目的になっているようなブレスをする人が多く見られます。
「ブレス=吸う」という認識を、まずは改めた方が良いです。
演奏するには「吐く」ことが必要、その為に「吸う」という感覚です。
息を完全に吐き切ると、その後は自然と「深く」吸うことができます。
良いブレスは「深い」ブレスです。
今よりも、もっと「吐く」ことを意識して演奏してみましょう。
まだまだ吐けるのに、すぐに怖くなってちょっと吸ってしまう人を多く見かけます。
浅いブレスです。
息を吐き切ったくらいで、人は死にません。

長いフレーズを演奏する時には、途中でブレス(息継ぎ)をしないといけません。
その息継ぎの前で、なるべく息を「吐き切った」状態に近くした方がいいです。
そうすると、息継ぎの箇所で、自然と深く良いブレスができます。
息が無くなるのがなんとなく怖くて、息を「節約」するような、なるべく少ない息で演奏しようとする人を多く見かけます。
逆です。息を使い切れば、その後に自然と深く良いブレスができて、より長いフレーズを一息で演奏できるようになります。結果的に演奏自体が楽になります。
時には少し「無駄に」息を多めに使うような感覚も必要です。
フレーズの途中のブレスは、休符でもない限りほとんどの場合、短い時間でブレスをしなければなりません。
0.何秒という短い時間でたくさん息を吸うのは難しいですが、無理やりたくさん吸おうとして結果的にアンブシュア(唇あたりの形)を崩して次の音が乱れたり外したり、音の出だしが強くなり過ぎたりすることがよくあります。
フレーズの途中でたくさん「吸う」ことに注力するよりも、大事なのは演奏し始める前の「最初の」ブレスです。
演奏し始める前の最初のブレスは、時間をかけて自分の最良のブレスをすることができます。
ブレスに長く時間を掛ければいいという訳ではありません。
曲のテンポに合わせた適度なタイミングで、最適な時間を掛けて深くブレスをすれば、その後に出てくる息継ぎの場面で、少しのブレスでうまくフレーズを演奏し続けることができます。

日頃ブレスが浅い人に深いブレスを意識して演奏してもらうと、音の出だしがおかしくなったり間違えたりすることがよくあります。
「言われた通りブレスしたのに、上手くできないじゃないですか」
という雰囲気になってこちらが悪者になったような気分です。
日頃から深くて良いブレスをすることに「慣れて」いくことが大切なのですが、他にコツとして音を出す直前に「わずかに」息を止めるようにするテクニックを身につけてほしいと思います。
息を吸って直後にその流れで音を出すと、音の出だしが乱れたり音を外したりしがちです。
ほんのちょっと、テンポにもよりますが八分休符か十六分休符ひとつ分くらいの「間」を開けて音を出すことで、音の出だしのミスをする確率がかなり減ってきます。
もちろん出そうとする音を頭の中で歌ってイメージして、集中して音を出すのですが、その上でほんの少しの間を意識して音を出すのです。
逆に「間」を空けすぎると、今度は音の出だしが強くなりすぎたりするので、ほんのとちょっとの「間」です。
深いブレスの後のちょっとの「間」を空けるテクニックを覚えることで、常に付きまとう音の出だしをミスする恐怖からも少し解放されます。
ぜひ実践できるようになってほしいと思います。
少し長くなってしまいましたので、続きは次回にしようと思います。
みなさんの日々の生活が、音楽で豊かになりますように。
