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楽譜の指定テンポは絶対!?

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こんにちは、吹奏楽.comです。

楽器を練習するのにメトロノームを取り入れるのは、とても効果的です。
楽器が上手な人は、メトロノームを上手く使って練習している人が多いです。

楽譜には音符や休符の他にも、記号や楽語など、いろんなものが書き込まれています。
演奏するテンポ(速度)についても、だいたい何かが書かれていることが多いです。

曲中のテンポは、楽譜によって「Andante(アンダンテ)」とか「Allegro(アレグロ)」などの「速度標語」と呼ばれるものが書かれていることもありますし、「(〜音符=)88」や「(〜音符=)120」など、数字で書かれていることもあります。
その数字の横に「circa」とか「ca.」と書かれていることもあります。

「ca.」は「circa(チルカ、イタリア語)」の略で、どちらが書いてあっても「約」とか「およそ」ということを意味します。
速さに「約」とか「およそ」が付けられていると、多少の範囲の中で自由にやることが認められているようで少しうれしくなります。

音楽は自由なものです。
テンポだけを取っても、様々な速さで演奏されていいものです。
「自由=なんでもあり」ではありませんが、同じ曲でも人によって演奏がまるで変わったりするのは、音楽の醍醐味の一つです。

ですが、ある曲をおかしなテンポで演奏することで、その曲の魅力が半減してしまうようなこともあります。
テンポは音楽の中の重要な要素の一つで、やはり慎重に決めるべきものです。

時代が最近の作曲者になればなるほど、テンポなどの指示が細かく厳密になる傾向があります。
自分の作品がおかしな感じで演奏されて、イマイチな評価になったりするのが腹立たしい、というのは十分想像できます。

テンポの問題は難しく、よく議論の対象にもなります。
ですが作曲家や編曲者も人それぞれで、ものすごく厳密に指定する人もいれば、あまりこだわりのないような人もいます。

こだわりがない、くらいならまだ良いのですが、明らかに「このテンポ設定、おかしくないかな?」という楽譜を見かけることもあります。
そういう場合は演奏者が良いと思われるテンポで演奏すべきですが、何を持って「良い」テンポと判断するのかは、非常に難しいことです。

それとは少し別の問題ですが、作曲家が机の上で考えたりピアノを弾いたりして決めるテンポは、どちらかと言うと「速め」になることが多いように思います。
作曲家がテンポを決めるのにメトロノームを使うこともあると思いますが、ピアノなどを弾いて「このテンポだ」と思って楽譜に書き込んだテンポが、実際に演奏すると速すぎるということがよくあるのです。

例えばピアノで弾いて「120」でちょうど良いと思うテンポが、吹奏楽やオーケストラなどの大編成で同じ「120」で演奏すると、なんだか速すぎてチョロチョロした滑稽な感じになるのはよくあることです。
多めの人数で演奏するときは、ピアノなど少人数で演奏する時よりも、少し遅めのテンポでやってちょうど良くなることが多いです。

作曲者側から言わせると
「120(って書いてるけど、状況によって多少の調整は演奏者の方でやってね、Good Luck!)」
くらいのスタンスの人が多いのだと思います。
演奏者側に「(カッコ内)」の部分を感じ取れるくらいの度量がないといけないと思います。

「楽譜に120って書いてるんだから、120が正しいに決まってるじゃん」
とか
「作曲者が書いてるんだから、そのテンポを守るべきだ」
などと言うのは、良く言えばマジメですが、もう少し考え方に柔軟性が欲しいように思う時もあります。

ブラームスの交響曲第1番の冒頭部分は、楽譜に
「un poco sostenuto(少し音の長さを保って)」とだけ書かれています。
正直演奏するのにほとんど役に立ちませんし、そもそもテンポのことじゃないし、と思ってしまいます。

これはブラームスがテキトーに書いたわけではなくて、
「un poco sostemuto(って書いたけど、テンポなどは状況によって良く考えてその時の最善のものを選んで、いろんな解釈で演奏していいからベストを尽くしてね、よろしく!)」
と言っているように思えます。
敢えてわかりやすく書かないことで、演奏者に深く考えさせ、表現や解釈にも幅を持たせているのだと思います。

ブラームスよりも少し後の時代の作曲家マーラーは、楽譜にこれでもかと言うくらい、ものすごく細かくたくさんの指示を文章のように書き込んでいます。
「ここから※印の部分まで、ほんの少しずつ気づかれないようにテンポを上げる」
など、ほぼ「文章」になっている指示がたくさん楽譜に書き込まれていて、笑ってしまいます。
どちらも天才的な大作曲家です。

速いパッセージや難しいフレーズを、メトロノームを使ってゆっくりから練習して、だんだんテンポを上げていく練習をすることがあると思います。
とてもいいやり方だと思います。

最終的に、例えば120のテンポまで持っていく時に、わざと実際にやるよりも少し速い122で練習したり、逆に少し遅い118で練習したりして、毎回少しずつテンポを変えてみると、もっと良い練習になります。
いつも同じやり方ではなく、そういう遊び心のようなものを持っている人は、きっと上手くなると思います。

楽譜に書かれているテンポの指示は、尊重しながらも、ある程度幅を持って捉えた方が良い、という感じでしょうか。

楽譜は人間が長年改良を加えながら成立してきた音楽を他人に伝えるための良くできたシステムですが、完璧に伝えることは不可能で、だからこそ音楽は懐の深い素晴らしいものだとも言えます。
テンポ以外のことでも「楽譜は不完全なもの」という意識が必要で、いろんなことを柔軟によく考えながら演奏しましょう。

みなさんの日々の生活が、音楽で豊かになりますように。


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