こんにちは、吹奏楽.comです。
女優も芸能人も歯が命、というと言い過ぎなのかもしれませんが、管楽器を演奏する上で「歯」は、場合によっては命と言っても大げさではないくらい、かなり重要な点になってきます。
「管楽器って言うけど、吹奏楽にはパーカッションやコントラバスもあるよー」という声も聞こえてきますが、打楽器奏者とコントラバス奏者にも間接的に関係する、楽団(吹奏楽部)全体に関わる事柄でもあります。

欧米では歯の矯正(きょうせい)が一般的で、永久歯に生え替わると多くの人が歯の矯正をするようです。いろいろとやり方がありますが、主に針金のような装置を歯に付けているのを見たことがあると思います。
日本でもまだ欧米ほどではありませんが、以前よりも歯の矯正をする人が増えてきていて、学校でもクラスに数人はいるのではないでしょうか。
あの針金のような装置を付けたまま、口に必ず楽器の一部を当てる管楽器が演奏できるのかどうか?
答えは「楽器によっては、かなり演奏しにくい」ということになります。
金管楽器はマウスピースと言われるものを唇に当てて、少し押し付けながら(プレスしながら)息を入れて演奏します。マウスピースは真鍮(しんちゅう)という金属でできているので硬いです。
特にトランペットは高音域を演奏するために、その押し付ける圧力が他の金管楽器よりも強くなります。
トランペットを歯の矯正をしながら演奏することは、装置にもよりますが「ほぼ不可能」です。
絶対にまったく不可能というわけではなく、低い音や弱い音で吹くことは多少できますが、長時間練習すると装置によっては唇の内側から本当に出血します。毎日のことですし、何より本人は唇が痛いので、積極的に練習したいとは思えないでしょう。
トランペットとマウスピースの大きさが近いホルンも、少し音域は低くてプレスは弱まりますが「ほとんど不可能」だと思います。

その他の金管楽器や木管楽器の人で、歯の矯正をしながら楽器をやっている人は実際にいるかもしれませんし、今までに見かけたこともあります。
ですがやはり多少の「ハンディ」を抱えながら演奏することは間違いないと思います。
では歯の矯正をしている人、またはこれからするかもしれない人はどうすればいいのでしょうか。
歯の矯正が演奏面に関係のない、パーカッションかコントラバスをやるのが本来は一番いいと思われますが、
「すでに矯正しながら管楽器やってますけど」とか「そうするとパーカッションに人数が増えすぎるんですけど」などと言われるかもしれません。
全ての楽器と歯の矯正とその装置、相性、程度などにものすごく詳しいわけではありませんが、「まったく問題ない」という管楽器はたぶんないと思います。
特に歯の一つ一つに針金を固定する突起のようなものを、歯の表側に付けるやり方(一番標準的なやり方だと思います)は、唇の裏側のやわらかい部分に突起が当たるので、痛みを伴います。管楽器の演奏が難しくなるのは、想像できますよね。

歯列矯正は平均で2〜3年間、場合によってはもっと長い期間、どんなに早くても最低1年間はかかります。
まずは自分が歯の矯正をしているかどうか、またはこれから先、矯正する予定があるかどうかを、家族とも相談して部活の顧問の先生や先輩、他の部員に伝えましょう。
「へえ、大丈夫だよ。以前にもそういう人いたし」と言われるかもしれません。
親身になって考えてくれなかったとしても悪く思わないでください。意外と知られていない、矯正をしている本人にしかわからない点も多い、デリケートな問題です。
吹奏楽部の場合、3年間の途中で楽器を変わることになると、いろんな面でかなり厳しくなります。それぞれの楽器に専門性が高くて(演奏方法がまったく違う)、習得するのにかなりの時間が掛かるからです。
コンサートで全部の曲を演奏できなかったり、コンクールに出られなくなるような可能性だって生まれてきます。当人にとっても部活全体にとっても大問題です。

なので1年生の最初に、楽器を決める時が重要なのです。
先輩や顧問の先生にとっては新入生が入ってくるのはウキウキしますし、「あの子はあの楽器がいいよー」などと、少しお祭り騒ぎのように決めてしまいがちです。
希望する楽器のアンケートくらいは、どこの学校でも取っていると思いますが、少し話してみてその人の性格をなるべく把握し、背は伸びるでしょうが体格や顔の骨格などもよく観察してできればメモを残して、そして「歯」のことを必ず聞くようにしてください。アンケートに「歯の矯正(の予定)の有無」を加えるのもとてもいいと思います。
体格や骨格という言葉も出てきましたが、「人間性(性格)」「歯」に続いて、次回は身長なども含めた体格や、手や指、顔の骨格、顎(あご)、それから歯並びなど、それぞれの楽器に対しての向き不向きを引き続き考えてみたいと思います。
少しでも自分に合った(向いている)楽器に巡り会える人が増えることを祈っています。
みなさんの日々の生活が音楽で豊かになりますように。
