こんにちは、吹奏楽.comです。
2015年に「響け!ユーフォニアム」というアニメがテレビで放送されて、その頃学校の吹奏楽部の新入部員でユーフォニアムを希望する人が少し増えた時期がありました。今でももしかしするとユーフォニアム希望者は以前より増えているかもしれません。世間での認知度が高くなってイメージが良くなったのだとしたら、特にユーフォ奏者にとってはこの上なく嬉しいことでしょう。

ユーフォニアムは柔らかく深みのある音色が本当に素敵で、古今東西のあるゆる楽器の中でも、特に音色に関してはもっとも素晴らしい楽器の一つだとずっと思っています。
ですが吹奏楽にある楽器の中では、一番無名な楽器でしたし今でもそうかもしれません。「ゆーほにゅーむ?何それ、元素記号??」「地味な楽器だからやめときなさい。」「ユニフォームか!?」いくらでも悪口が浮かびます(ユーフォニアム関係者の方、本当にごめんなさい)。
1960年代くらいに日本で出版されたマーチ(行進曲)の楽譜には、楽器名に「小バス」とほんとに書かれていたりしますし、曲によっては「バリトン(バリトンホルン)」というパートとして書かれていることの方が多かったり、バリトンとユーフォニアムという別々の2つのパートが混在している曲もあります。中途半端でややこしいと思われることもあって歴史的にも不遇な楽器だったと言えるでしょう。

前置きが長くなってしまいましたが、希望者が少ないいわば最初は不人気な楽器があるということです。他にもテューバやファゴットも希望が殺到する楽器ではないでしょう。
しかしテューバもファゴットも本当に素晴らしい楽器ですし、実際にやってみるとその魅力に虜(とりこ)になってしまう人も多くいます。
「かっこいいからサックスやりたい!」「トランペットは吹奏楽の花形なんだって。」「フルートはお嬢様ってイメージ。」「やっぱドラムやれるからパーカッションでしょ!」そのようなことを最初は思ったり言われたりするものです。
人気が偏る理由は少し浅はかなものなので、希望するパート(楽器)になれなかったとしてもがっかりすることはありません。最初はそんなに乗り気じゃなく始めた楽器も、少しすると大好きになって「むしろこの楽器になって良かった!」と本気で思う人はかなり多くいます。
どうして最初は楽器の人気が偏るのでしょうか?

小学生に楽器を教えていると、一つの曲の中でもメロディ(旋律)の部分を演奏するのは楽しいから好きで、伴奏(のような伸ばすだけの音や、ただ刻むだけの音)はつまんないから嫌い、とよく言われます。
メロディは知っているし口ずさめたりもできるから楽しいけど、伴奏はなんだかよくわからないし「こんなのいらない」と思うこともあるようです。
音楽はメロディ(旋律)だけではなかなか成立しませんし、実際に旋律だけで演奏したものと他にベースやメロディじゃない音や打楽器が入ったものを聴き比べると、誰もがそっちの方が断然いい、と思います。
中学生くらいになるとメロディ以外の音の重要さがわかってくるようで、音楽を聴くだけではなく演奏するにも、ベースやメロディ以外の音のかっこよさや、やりがいのようなもの、そして楽しさが理解できてきます。「あの楽器はブーブー伴奏ばっかりやらされるからやめときなさい。」などと言う大人の方が低レベルですよね。

よく「楽団は社会の縮図」と言われます。
世の中にはいろいろな仕事や役割があって、それぞれが重要でお互いに関わって助け合いながら社会が成立しています。表向きの役割や裏方的な役割があって、どちらも大切なものです。
楽団(部活)も同じように、演奏の面でもそれ以外の面でも、多種多様なことをみんなで協力して作り上げていくものです。
学校や職場では、人前でしゃべったり目立つことが好きな人もいれば、影で黙々と何かを作ったりすることの方が好きな人、両方がいますよね。
そしてその人に向いた役割を与えられた方が、本人にとっても周りの人にとっても幸せなことだというのは、わかってもらえると思います。
では吹奏楽の中で、どの楽器がどのような役割をするのか?どういう人がどの楽器に向いている(または向いていない)のかを、次回は考えてみたいと思います。
みなさんの日々の生活が音楽で豊かになりますように。
