こんにちは、吹奏楽.comです。
数十人による大編成での演奏は多彩で迫力もあって魅力的なものですが、数人で演奏するアンサンブルという形態もまた違った魅力があります。
管楽器、打楽器の場合、まったく何の伴奏もなく一人で演奏することはほとんどありませんが、数人で演奏できるような曲はたくさんあって、楽譜も多数出版されています。
同じ楽器同士のアンサンブル、例えばサックスアンサンブル、トロンボーンアンサンブル、パーカッションアンサンブル、などもあれば、いろんな楽器が組み合わさったアンサンブルもあります。
伝統的な編成である木管五重奏(フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン)や、金管アンサンブル、それに打楽器が加わったものなど、それぞれに個性的な響きがあって素敵です。
たった2人だけでやるデュエットでも、演奏する側も聴く方も楽しいものです。

大編成の場合、良くも悪くも「ごまかし」が多少効きますが、人数が少なくなればなるほど、演奏者の実力がもろに出るので、ごまかしが効かなくなってきます。
数人によるアンサンブルの演奏は、楽器の上達に非常に効果的で、また音楽への理解も深まり、コミュニケーション能力も高まりますので、ぜひ年間を通してやっていただきたいと思います。
夏の吹奏楽コンクールの他に、毎年12月頃から翌年の3月にかけて、全日本アンサンブルコンテストというものが開催されています。
少人数しか出場できないので部員全員が関わるわけではなく、またコンテスト自体に参加しない学校もそこそこあるためか、夏のコンクールほどの盛り上がりはありません。
その為、アンサンブルは吹奏楽部では、やるとしても「秋から冬のもの」という感覚を持たれることが多いです。
これは非常にもったいないことです。

部活では主に、個人で基礎や曲をやる個人練習、楽器ごとに数人で練習するパート練習、それに全体合奏が中心になっている学校が多いと思います。
それぞれ必要な練習で大事なものですが、時期によっては練習する曲が限られてきて、技術的に偏った練習になる危険性があります。
例えば夏のコンクールに向けて、コンクールでやる曲を数ヶ月練習し続けることになりますが、その期間は他の曲は少しか、まったくやらないような学校も多いと思います。
何か他の曲を練習したりしていると、
「コンクールの曲がちゃんとできてないのに、なにを遊んでるんだ」
などと言われることもあるかもしれません。
ですが、基礎練習とコンクールでやる曲などの少ない曲だけを練習していると、どうしても技術的な内容に偏りが出てきてしまいます。
金管楽器は1st以外のパートでは高音域があまり出てこないような曲も多くあります。
そういった場合、必要に迫られないのであまり高い音を練習しないことが多くなってしまいます。
いざ1stをやっていた3年生が引退したりして、自分が突然1stをやることになった時に、曲によっては
「こんな高い音出ない(汗)」という事態になったりします。
金管楽器の高音域に限らず、
「日頃から基礎練習でいろんなテクニックを含めた練習をまんべんなくやっておけばいい。」
というのが理想ですが、やはり実際にやる曲の中に出てこないテクニックは、おろそかになってしまいがちです。

テクニック面のみだけではなく、少人数でのアンサンブルをやることで、他人の音をよく聴きながら演奏する感覚がつかめるようになってきます。
指揮者だけに頼らず、演奏者のお互いの呼吸を感じながら演奏する感覚は、大編成の中での演奏でも非常に生かされてきます。
自分の音程の癖や、リズムの悪い癖、足りていない部分など、あからさまに露呈するので、欠点をつかみやすくなります。
同じ音符を演奏している人が自分以外にいないことの方が多いので、誰にも頼らずに責任を持って自分のパートを演奏しなければなりません。
緊張感も高まるので、本番にも強くなります。

大編成の中での演奏は、良く言えば「気が楽」ですが、悪く言うと「ぬるま湯の中」にいるようなものです。
演奏技術を向上させるには、日頃から緊張感と自分の音に責任を持って練習することが大切です。
顧問の先生には、冬のアンサンブルコンテストだけでなく、年に2回程度、部活内の発表会のような形でかまわないので、アンサンブルコンサートのような本番の機会を設けていただければと思います。
年間を通して少人数のアンサンブルを全体合奏と並行して練習するようにすると、演奏のレベルアップに繋がってくると思います。
みなさんの日々の生活が、音楽で豊かになりますように。
